出来高ボラティリティで選ぶ“次の急騰候補”スクリーナー

なぜ出来高ボラティリティで“急騰候補”を捕まえられるのか

出来高は市場参加者の関心度を最も直接的に表すデータです。
ボラティリティは短期の値幅の大きさを示し、出来高増加とボラティリティ上昇が同時に起きる局面は資金流入+需給変化が起きている可能性が高いです。
この組み合わせをスクリーニング条件に取り入れると、初動・再加速フェーズを早期に抽出できます。

用語と計量指標の定義

スクリーナー設計前に必ず定義しておくべき指標を示します。
ここで使う値はすべて終値ベースまたは当日リアルタイムの値で計算します。

  • 出来高平均比率(V/A比)= 当日出来高 ÷ 直近20日平均出来高。
  • 出来高ボラティリティスコア= V/A比 × ATR比(ATRは14日で標準化)。
  • VWAP乖離率=(終値 − VWAP)÷ VWAP × 100。
  • 信用残変化率=(信用買い残の直近日差)÷ 前日信用買い残 × 100。
  • PTS先行サイン=寄り前PTS出来高が当日寄付き前の平均より有意に多いケース。

スクリーニングの基本設計

以下は「急騰候補」を抽出するための基本フィルタです。
各条件は実情に合わせて閾値を調整してください。

A:出来高・ボラティリティ系フィルタ

  • 当日出来高が直近20日平均の3倍以上(V/A比 ≧ 3)。
  • 出来高ボラティリティスコアが過去90日の上位10%。
  • ATR比(14日)が1.5倍以上で直近ボラティリティが上昇している銘柄。

B:価格・テクニカル系フィルタ

  • VWAP乖離率が+2〜+15%の範囲(過熱に注意)。
  • 25日移動平均を上抜けてから3営業日以内または25日線付近で出来高増の銘柄。
  • 出来高急増後に高値更新が続くか、短期MAが上向きの銘柄。

C:須確認の需給・イベント系フィルタ

  • 寄り前PTSで先行出来高が確認できる銘柄。
  • 信用買い残が急増しているが貸借倍率は大きく崩れていない銘柄。
  • IRや業界ニュース、ETF組入れ関連の噂がある場合はランクアップ(ただし未確認情報は除外)。

実践サンプル:スクリーナー条件(SQL/仮想式)

ここでは実務的に使えるサンプルロジックを示します。
あなたのスクリーニングツールに合わせてフィールド名を置き換えてください。

条件名ロジック(擬似式)
出来高急増volume_today / MA20_volume >= 3
ボラティリティ上位ATR14 / ATR90 >= 1.5
VWAP乖離(close – VWAP) / VWAP >= 0.02 and (close – VWAP) / VWAP <= 0.15
PTS先回りpts_volume_preopen >= MA_pts_volume_preopen * 2
信用買いトリガーcredit_buy_delta / credit_buy_prev >= 0.15

 

スクリーナー運用フロー

スクリーナーで抽出した銘柄をどのように扱うか、日次の運用フローを示します。
機械的にルーチン化することで感情的な飛びつきを防げます。

  1. 寄り前チェック:PTS出来高、寄り前板の偏り、直近ニュースを確認。
  2. 寄り付き0〜10分:歩み値で大口約定や連続約定の有無を監視。
  3. 09:30〜11:30:VWAPとの乖離、出来高継続、短期MAの追跡。
  4. 利確・損切り:初動で分割利確、想定外の出来高急減や売り圧で即撤退。

ポジショニングとリスク管理の実務ルール

急騰候補は期待リターンが大きい反面、変動も大きいです。
資金管理とポジションサイズのルールは必須です。

  • 1ポジションあたりのリスクは総資産の1〜3%以内。
  • エントリーは分割(3回程度)で行い、出来高が続く場面で追加。
  • 想定損失に達したら即撤退のルールを機械的に適用。
  • 出来高が急減して板が薄くなったら流動性リスク回避のため徐々に利確。

実戦でよくあるケーススタディ

ケース1:PTS先行→寄りで続伸したパターン

前日夜間にポジティブIRが出てPTSで出来高が急増した。
寄り付きで出来高がさらに増え、VWAPをしっかり上抜けてそのまま高値追随。
この場合はPTSの出来高と寄付き直後の歩み値での大口約定を確認して追随します。

ケース2:出来高だけ増えてボラティリティが伴わないパターン

出来高は急増するが値幅が小さいゴミ出来高(板寄せや一部の裁定)で終わることがあります。
こうした局面では出来高ボラティリティスコアが低ければ除外するルールを設けるのが有効です。

よくある誤りと対処法

出来高シグナルに飛びつく際の典型的な誤りと対処方法を整理します。

  • 誤り:出来高だけでエントリーする。
    対処:必ずボラティリティ指標や歩み値・板の質を組み合わせる。
  • 誤り:信用残の急増をそのまま買いのサインと捉える。
    対処:貸借対照と機関の売買動向も合わせて検証する。
  • 誤り:イベント情報の真偽確認を怠る。
    対処:IRや上場会社の開示文を自分で確認するまで仮判断に留める。

スクリーナーのカスタマイズ例

目的に応じた閾値の例を示します。
成長テーマの初動を狙う場合と、再加速狙いで閾値を変えると精度が上がります。

目的V/A比閾値VWAP乖離備考
初動狙い>=30〜+8%PTS先行を重視
再加速狙い>=2+5〜+20%25日線上の出来高増を重視
割安反発狙い>=2-10〜+3%押し目での吸収確認を重視

 

チェックリスト

スクリーナーで抽出した銘柄を扱う際、必ず通すことを推奨する短いチェックリストです。

  1. PTS出来高は日中出来高と整合しているか。
  2. 歩み値で大口約定が継続しているか。
  3. 信用残の増減に不自然な偏りはないか。
  4. IRや業界ニュースで背景説明がつくか。
  5. 流動性リスクを考えたポジションサイズか。

おすすめのツールとデータソース

リアルタイムに出来高・歩み値・PTSデータを取得できるツールを使うと精度が上がります。
国内取引所の約定履歴、証券会社のリアルタイム板、信用残データ提供サービスを組み合わせて使ってください。

まとめ(迅速性と検証の習慣が差を作る)

出来高ボラティリティを軸にしたスクリーニングは、急騰候補の初動を抽出する上で非常に有効です。
ただし単一指標頼みではなく、PTS、歩み値、信用残、VWAPなど複数軸での確認を習慣化することが重要です。
まずは提示したルールで小さく検証を繰り返し、自分の運用ルールに最適化してください。

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