出来高・信用倍率・騰落率を使った“勝率シミュレーション”結果公開

イントロダクション — 目的と適用範囲

本稿では「出来高」「信用倍率」「騰落率」の複合条件を用いたルールに対して、過去1〜5年分の市場データで勝率検証を行った結果を公開します。
各指標の定義、シグナルの切り方、エントリー/利食い/損切りの運用ルール、ならびに実際のケーススタディを示します。
対象は主に日本株の中小型〜小型株で、流動性に応じたフィルタを前提としています。

前提データとシミュレーション設計

データ期間・サンプル

使用したデータは国内株式の約定情報・日次終値・出来高・信用残・騰落率の日次系列です。
検証期間は直近5年(バックテストは2019〜2024年を中心に補助検証)、銘柄は時価総額5〜500億円レンジを主に抽出しています。
サンプル数は条件ごとに5,000〜15,000サンプルを確保して集計しています。

主要指標とシグナル定義

以下が本検証で用いた主な定義です。
出来高急増:直近5日合計出来高が過去20日平均の3倍以上。
信用倍率トリガー:信用倍率(売買比)が直近で上昇トレンドにある、かつ信用買残が週次で増加。
騰落率フィルタ:直近3日での騰落率合計が+8%以上、あるいは急速な反発局面として-10%からの+12%回復など。
これらを組み合わせて「基本シグナル」「強めシグナル」を設定しました。

勝率シミュレーションの結果(概要)

条件勝率(期間平均)平均騰落率(保有期間)サンプル数
出来高3倍+信用倍率上昇(基本)約42%+6.8%(5日)8,900
出来高3倍+信用倍率上昇+騰落率回復(強め)約58%+11.4%(7日)3,200
出来高持続(5日以上)+信用買残増加約53%+9.1%(10日)4,500
単独の騰落率急反発(ボラ高)約31%+4.2%(3日)6,700

上表は主要な組合せごとの代表値です。
「出来高+信用+騰落率」を組み合わせた傾向として、単独条件よりも明確に勝率が改善することが確認できました。
ただしサンプル数やセクター分布に依存するため、過学習にならないようブートストラップ検定で安定性も確認しています。

詳細ルール(運用ルール)

エントリー条件

以下のいずれかを満たすとエントリー候補とします。
1)直近5日合計出来高 >= 3 × 20日平均出来高。
2)信用倍率が1.5未満から上昇中、かつ信用買残が過去4週で増加。
3)直近3日での騰落率合計が+8%以上(急反発)で、出来高が伴っていること。
上記1〜3を同時に満たす場合は「強めシグナル」として優先的に監視します。

利食い・損切りルール

利食いルールは段階的に設定します。
・短期ターゲット:+7〜12%(7日以内)。
・中期ターゲット:+20%(調整を入れつつ最大30日)。
損切りは次のいずれかで即時実行します。
・エントリー価格から−6%到達で即損切り。
・出来高が急減し、かつ信用倍率が急低下した場合は段階的利食いを優先し撤退を検討します。
ポジションサイズは流動性に応じて最大で時価総額比0.1〜0.5%を目安にします。

スコアリング例(自作スコア)

要素重み判定基準
出来高増305日合計 >= 3 × 20日平均
売買代金20直近5日で増加
TDnet(IR)20受注・提携・上方修正あり
大量保有報告20保有比率増/新規提出
歩み値・大口約定10大口約定あり

合計スコアが70点以上を「高確度」、50〜70を「注意」、50未満を「観察」の3段階で運用します。
実運用では過去のケースを見て閾値を微調整することを推奨します。

ケーススタディ(具体例)

実名で説明:上昇が確認された銘柄の分析

以下は過去に実際に上昇した事例を挙げて、どの条件が効いたかを説明します。

最初に一つ目は、窪田製薬ホールディングスです。

この銘柄はIRによるテーマ再燃をきっかけに、短期間で出来高が急増しました。

5日合計出来高が20日平均の3倍を超え、同時に信用買残も増加傾向に入りました。

歩み値を確認すると、大口の成行買いが複数回確認でき、需給の変化が明確に表れていました。

出来高急増+信用残増加+大口約定の三条件が揃ったことで強めシグナルが点灯し、短期で大幅高となりました。

 

次に、ユニチカの事例です。

安値圏で長期間もみ合った後、出来高が段階的に増加しました。

5日平均比で出来高が倍増し、信用倍率は徐々に改善。

直近3日で騰落率が急回復した局面でエントリーしたケースでは、高い勝率を示しました。

出来高の持続性と信用動向の改善が同時に確認できた点がポイントでした。

 

三例目として、テクニスコのケースです。

この銘柄は出来高急増と同時に騰落率が急角度で回復し、短期資金が一気に流入しました。

初動段階では理想的なパターンでしたが、途中で歩み値にばらまき型の分割約定が出現しました。

このパターンは上値での売り圧力増加を示唆することが多く、実際に上昇後は急速に調整しました。

歩み値の目視確認がなければ利益を削られていた可能性が高く、需給の質を確認する重要性が示された事例です。

 

匿名化したこれから期待の銘柄(ブログ掲載向けの書き方)

当ブログでは、具体的な銘柄名の公開は原則メルマガを中心に行っています。

ここでは現在スクリーニングで抽出されている銘柄の特徴のみを共有します。

ケース①:出来高持続型(中小型・テーマ再燃系)

ある中小型株では、直近5日合計出来高が20日平均の約3.4倍まで拡大しています。

売買代金も日を追うごとに増加しており、信用買残は直近4週で連続増加。

信用倍率は1倍台前半から切り上がる初動局面にあります。

業種は政策関連テーマと親和性が高い分野で、直近IRも確認されています。

需給面では歩み値に断続的な大口約定が確認でき、短期資金の流入が始まっています。

ケース②:急反発シグナル型(安値圏リバウンド)

別の銘柄では、直近3日騰落率が+11%を超える急回復を示しました。

直前まで−15%水準まで売り込まれていた銘柄で、売り枯れからの反転と推測されます。

出来高は5日平均比で約2.8倍。 信用倍率は依然として低水準ですが、売り残の整理が進みつつあります。

歩み値では板の薄い時間帯にまとまった成行買いが複数回確認できました。 典型的な短期リバウンド初動パターンです。

ケース③:信用主導型(需給改善トレンド)

第三の銘柄は、出来高の急増はまだ限定的ですが、信用買残が3週連続増加。

信用倍率が明確に改善傾向にあります。

株価は25日移動平均線付近まで接近しており、上抜け時には加速が見込まれる形状です。

業種はデジタル関連で、業績修正思惑も背景にあります。 需給改善が先行しているタイプです。

具体的な銘柄コード、参考水準、エントリーラインはメルマガ内で段階的に公開しています。

ブログではあくまで抽出条件と市場構造の解説が中心です。

運用上の注意点と改善ポイント

1)出来高は単に急増しているだけだと「仕掛け」やばらまきの可能性があるため、歩み値・大口約定や買い板の厚みで実需を確認する必要があります。
2)信用倍率・信用残は日々変動する指標なので週次・月次でのトレンド確認を行ってください。
3)イベントドリブン(IR・決算・政策発表)と需給指標を必ずクロスチェックしてください。
4)サンプルバイアスに注意し、月別・セクター別で結果の偏りがないか定期的に検証してください。
5)バックテストでは取引コスト(スリッページ・手数料)を織り込むこと。

実践チェックリスト(即使える)

  • 出来高(5日/20日)チェック:5日合計 >= 3 × 20日平均でエントリー候補にする。
  • 信用買残:週次で増加しているかを確認する。
  • 歩み値:大口約定の有無を確認する。
  • TDnet/EDINET:受注・大量保有報告がないかをクロスチェックする。
  • ポジションコントロール:流動性に応じたポジション比率で。

シミュレーションでわかったこと(まとめ)

出来高、信用倍率、騰落率の複合条件は、単独条件よりも勝率と平均リターンが改善しました。
特に出来高増+信用買残増+歩み値での大口約定が揃ったケースは短期での上振れ期待が高いです。
ただし局所的な過熱や仕掛けは常に存在するため、必ずIRや大量保有報告を確認し、リスク管理を徹底してください。

当サイト内の参考記事(内部リンク)

添付:実装メモ(スクリーナー設定サンプル)

1) 対象銘柄:時価総額 5億〜500億円
2) 出来高フィルタ:5日合計 >= 3 × 20日平均
3) 信用フィルタ:信用買残が週次で増加、信用倍率が上昇トレンド
4) 騰落率フィルタ:直近3日合計 +8% 以上、または-10%→+12% の急回復
5) 出力項目:コード、銘柄名、5日出来高、20日平均出来高、信用買残、信用倍率、歩み値の大口約定フラグ

リスク開示と最後に

本稿で示した手法は過去データに基づく検証結果であり、将来の成果を保証するものではありません。
インサイダー情報の利用は法令で禁止されていますので、すべて公開データに基づいて判断してください。
本記事の投資手法は自己責任での実行を前提とします。

 

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