FCFイールドで選ぶ“倒産リスク小”の割安銘柄10選
本記事ではフリーキャッシュフロー(FCF)イールドを重視して、倒産リスクが相対的に小さく見える割安候補を10銘柄ピックアップします。
実務で使えるスクリーニング条件、精査手順、CSV出力例、さらに簡易バックテストの生データ表を付けていますので、銘柄選定→検証→運用までのワークフローにそのまま組み込めます。
なお、本文中の銘柄選定は「2025年以降の中長期に安定したFCF創出が期待できる」という視点で行っていますが、投資判断は必ず最新決算および直近のキャッシュフローデータで裏取りしてください。
FCFイールドとは何か、なぜ倒産リスク低減に有効か
FCFイールドは「フリーキャッシュフロー ÷ 時価総額」で計算される尺度です。
FCFは事業が現金をどれだけ生むかを示す指標であり、負債返済や投資、配当に回せる余力を示します。
したがって、FCFイールドが高い=時価総額に対してキャッシュ創出力が大きい企業は倒産確率が低く評価されやすいです。
特に景気下振れや金融コスト上昇局面では、営業キャッシュフローが潤沢な企業ほど耐性が高くなります。
スクリーニング条件(実務テンプレ)
まず銘柄候補を抽出するための機械的条件を示します。
この条件は短期的なノイズを減らすためのもので、後段の“精査手順”でファンダと需給を合わせて最終判断します。
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| FCFイールド(TTM) ≥ 4% | 時価総額に対する現金創出力が相対的に高い銘柄を抽出 |
| 有利子負債/EBITDA ≤ 3 | 過度なレバレッジでないことを確認 |
| 流動比率 ≥ 120% | 短期的な支払能力が確保されているか確認 |
| 営業CFの過去3年トレンドが安定または増加 | 継続的にキャッシュを稼げる事業かを重視 |
| 時価総額 200億〜2000億円(中小〜中堅) | 割安探索の効率を優先(大型は既に織り込み済みのことが多い) |
倒産リスク“低”の割安候補10銘柄(業種別・具体例)
以下は上記の考え方で“候補”として挙げる10銘柄のリストです。
※各銘柄については必ず最新のFCFデータ・有利子負債や流動性を確認してください。
| 銘柄(コード) | 業種 | 選定理由(簡潔) |
|---|---|---|
| トヨタ自動車(7203) | 自動車メーカー | 安定的な営業CF、グローバル販売網と強いキャッシュ創出力で倒産リスクが相対的に低い点を評価します。 |
| KDDI(9433) | 通信 | サブスク課金による安定収入と高いFCF創出力が期待されます。 |
| 日本電産(6594) | 電機/モーター | 産業用需要と高い利益率で営業CFが堅調、成長投資の後もキャッシュが残りやすい構造です。 |
| セイコーエプソン(6724) | 精密機器 | キャッシュフロー改善と事業再編でFCFが改善傾向にある点を注目します。 |
| オリックス(8591) | 総合金融/リース | 多角化ポートフォリオと強固な資金調達機能により倒産リスク低の評価が可能です。 |
| 日立製作所(6501) | 重電/インフラ | ストック型収益やインフラ案件で安定的なキャッシュフローが期待できます。 |
| 信越化学工業(4063) | 化学 | 高い利益率と安定した需要で継続FCFが期待され、財務基盤が強固です。 |
| 伊藤忠商事(8001) | 総合商社 | 商社型の資金運用力と多角化収益でキャッシュ創出が強い点を評価します。 |
| ディスコ(6146) | 工作機械/半導体製造装置 | 高収益モデルで早期回収が期待でき、FCF比率が高めの企業が多いです。 |
| リコー(7752) | 複合機/サービス | サービス化とリース収入の拡大で安定CF化が進み、倒産リスク低減につながる可能性があります。 |
上の銘柄はあくまで「候補」です。
FCFイールドの数値は変動するため、投資前に直近のキャッシュフロー計算書、フリーキャッシュフローの推移、及び時価総額を用いて必ず再計算してください。
銘柄ごとの精査手順(チェックリスト)
候補銘柄を絞り込む際は、下の手順を順守してください。
- 最新決算からフリーキャッシュフロー(営業CF − 投資CF)をTTMで計算する。
- FCFイールド = FCF(TTM) ÷ 時価総額 を算出する。
- 有利子負債/EBITDA、流動比率、自己資本比率を確認して財務リスクを評価する。
- 業績の質を確認(営業CFの構成、ワンオフ要素、売上のサステナビリティ)。
- 需給面、信用残、浮動株比率をチェックし短期ボラティリティリスクを把握する。
- 業界の景気サイクルと主要顧客の契約状況を確認する。
CSV出力例(検証用)
以下は検証用にそのまま保存できるCSV雛形です。
スクリーニング→手動チェック→保存というワークフローで使ってください。
ticker,銘柄名,抽出日,時価総額,FCF_TTM,FCFイールド,有利子負債,EBITDA,有利子負債/EBITDA,流動比率,備考 7203,トヨタ自動車,2025-10-07,---,---,---,---,---,---,---,業績安定 9433,KDDI,2025-10-07,---,---,---,---,---,---,---,契約型収益 ...
バックテストの生データ表(簡易例)
過去3年で「FCFイールド上位20銘柄」を長短で比較した簡易バックテストのサンプル生データ表を示します。
この表は実際の値をユーザー側で差し替えてそのまま検証に使えます。
| 年月 | 銘柄 | FCFイールド | 保有期間リターン |
|---|---|---|---|
| 2023-01 | 例:A社 | 5.2% | +12.3% |
| 2023-01 | 例:B社 | 4.9% | +8.7% |
| 2024-01 | 例:C社 | 6.1% | -3.2% |
実戦での運用ルール(例)
資金管理とリスク管理のための基本ルール例を載せます。
- ポジションサイズは総資金の3〜6%を上限に分割エントリーで入る。
- エントリーはFCFイールドの改善+決算サプライズでフォローする。
- 損切りはATR×2または直近重要サポート割れに設定する。
- 保有中は毎月FCFとキャッシュフローの変化を更新する。
注意点と落とし穴(罠)
FCFベースの評価は強力ですが、以下の点に注意してください。
1)一時的な営業CF増(売掛金回収など)でFCFが膨らむケースがある。
2)投資CFの大幅な減少(設備投資カット)で一時的にFCFが改善することがある。
3)業種特性でFCF発生タイミングが偏る業種(重工、資本集約型)には注意する。
4)財務上の非経常項目や持分法損益で見かけ上のFCFが変動する場合がある。
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まとめと次のアクション
FCFイールドを中心に据えたスクリーニングは倒産リスクの定量的把握に有効です。
ただし単一指標に依存しないこと、必ず財務の深掘りと需給チェックを行うことが肝心です。
本記事のCSV雛形とバックテスト表を活用して、まずは10銘柄をウォッチリストに入れ一ヶ月単位でFCFの変化をモニタリングしてください。
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